この仮想現実では、あえて視覚という一つの五感を削ぎ落とした世界に没入することで、
聴覚による空間認識を試みました。
イルカは障害物から反射する周波数を検知し、海のなかを自在に泳ぎます。
同じように私たちも聴覚によって、
みえない障害物に快、不快を感じ、はらんだ空間、切迫した空間など、
空間の重みや密度や感じとれるのではないかという体験です。
VR上には大きく分けて6つの心地
「恐怖」「奇妙」「高揚」「神聖」「懐かしさ」「日常」を配置しました。
このVRに潜ると、聞き慣れた日常のワンシーンに降り立ちますが、
VR体験者が上下左右前後、進んでいく方向によって日常を構成する音は分解されて、
異なる感性空間へとつながっていきます。
6つの心地はそれぞれ中心から均等に配置、各々がシームレスに移り変わっているため、
グラデーション部分ではさらに別の不明瞭な心地も生むかもしれません。
仮想現実の新たな可能性として、空間を耳肌で感じとる「聴体験」をデザインしました。
※PCVRのみの体験となります
Designer : Haruka Mitani, Yuki Yawata, Daisuke Kakinoki